資生堂ジャパン
コマーシャルファイナンス部
K.M.
2008年入社
商学部
入社1年目4年目
東北エリア/DRG営業担当(本部・個店)
生意気だった営業時代。
先輩のアドバイスで、
インプットの大切を知る。
東北エリアに営業として配属され、ドラッグストアを担当しました。エリア最大規模のチェーンを任されもしましたが、まだまだ知識や経験が不足している時期。得意先や現場スタッフの信頼を得るために、とにかく店舗に足を運び、一緒に売り場をつくることを心がけていました。
一方で、事実としておかしいと感じたことは、ためらわずに口に出す生意気な新人でもありました。上司と激しくぶつかったことも一度や二度ではありません。それでも周囲は見放すことなく、仕事中もそれ以外も、本当によく面倒を見てくれました。ビジネス書なんて開いたこともなかった私が、「本からのインプットに付加価値を乗せ、アウトプットする」という方法を身につけたのも、先輩からのアドバイスのおかげ。「インプットがなければアウトプットもない。本を読め。何でもいいから、まず活字に慣れろ」と、ベストセラー小説を貸してくれた時のことをいまでも覚えています。
入社5年目6年目
労働組合専従
経営層と社員をつなぐ、
史上初のセミナーを開催。
企画の面白さに目覚める。
労働組合から声がかかり、営業を離れてそちらに専従することになりました。仕事の中身が大きく変わって戸惑いも大きかったのですが、いい出会いにも恵まれました。たとえば、地方営業拠点のリーダーたち。驚くほど優秀な人が多く、さまざまな刺激を受けることができました。
その極めつけとも言えるのが、魚谷社長(当時・現在は会長CEO)との出会いです。魚谷社長に営業現場の課題を訴えたところ、「自分はどう変えたらいいと思う?提案してみなさい」と促されました。それをきっかけに生まれたのが、営業を対象にした「魚谷さんから学ぶ、マーケティングセミナー」。資生堂の経営層と社員がインタラクティブにコミュニケーションできるセミナーは、おそらく史上初。魚谷社長の迫力に圧倒されながらも、企画という仕事の面白さを味わえた経験でした。
入社7年目9年目
ジョブチャレンジで新部署へ。
実力不足を痛感しつつ、
ファイナンスに興味を抱く。
「インターナルコミュニケーションを活性化させ、風土改革を実現させよう」。そんな狙いから生まれた新部署「未来創造局」に、ジョブチャレンジ制度を使って参加しました。主な業務は2つ。北海道から沖縄まで縦断しながらワークショップを開催し、経営層への提言に結びつける「未来創造サミット」の運営。そして、社員が発案した新規事業の実現に向けたサポートです。
「未来創造サミット」には打ちのめされました。組んだ先輩がとても優秀で、2日かけてつくった資料を一瞬で論破されることも当たり前。論理的思考力、プレゼンテーション能力、言語力など、すべてにおいて私とは比較にもならず、至らなさを突きつけられる日々でした。ただ、この時に徹底的に鍛えられたからこそ、いまの自分があるのも事実です。戻りたくはないですが(笑)、このうえなく貴重な経験でした。新規事業サポートでは、事業化に向けた損益予測を担当。これがきっかけで、ファイナンス・ビジネスコントローラーの仕事に興味を持つようになりました。
入社10年目11年目
営業としてビジネスの感覚を研ぎ直し、
グループ会社で経営管理に着手。
ついに「ファイナンスをやりたい」と上司に伝えた10年目。けれど返ってきたのは「その前にビジネスを学び直したほうがいい」というアドバイス。それもそうかと営業に戻り、首都圏エリアでドラッグストア担当に。かつてとは異なる商品やシステムに苦労しながらも、半年かけてビジネスの感覚を研ぎ直したうえでグループ会社に出向。晴れて、経営管理を手がけることになりました。
この出向が非常によかったのは、資生堂本体より組織が小規模であるおかげで、経営に関するすべてを俯瞰できたこと。社内で開かれる重要な会議には軒並み出席できたうえに、現場との距離も近い。会社とはどう動くものなのか、その全体像が見えるようになりました。業務については初めて尽くしでしたが、学びたいことを好きに学べる環境が用意されていたのがありがたかったですね。
入社12年目13年目
CFOから突きつけられた、
ビジネスコントローラーの存在意義。
資生堂ジャパンのPL(損益計算書)を担当。仕事のスケールが格段に大きくなりました。ところが異動からまもなく、新型コロナウイルス感染症が急拡大。資生堂の売上を直撃しました。それまでのルーティンがまるで役に立たない異常な状況下で、引き継ぎと経営の合理化を同時に進めなければならないことに苦労しました。
この期間に強く印象に残っているのは、CFOから受けた一言です。損益予測を作成してレポートしたところ、資料を突き返されたうえに「数字をレポートするのではなく、ビジネスをドライブすることがあなたの仕事」と断言されました。ハッとしました。それまでの私は、予測を立て、結果との差を見ることしかしていなかった。けれど本当に求められていたのは、「どう改善するか」までを描くこと。ビジネスコントローラーという仕事の存在意義を、改めて突きつけられた出来事でした。
入社14年目
管理職として。保育園児の父として。
優秀なチームと支え合う。
管理職になったことで、会議でのプレゼンテーションやファシリテーションの機会が圧倒的に増えました。オーディエンスやターゲットをしっかりと意識し、5W1Hを明確にした資料作成やプレゼンテーションのスキルを強化しているところです。出席すべき会議が増える一方、プライベートでは保育園児の父として、急な発熱などへの対応も必要。どうしても仕事を休まざるをえないケースもありますが、的確にカバーしてくれるチームに支えられています。優秀なメンバーたちの強みをどう引き出し、活かしていくか。それもマネジメントにおける大きなテーマですね。
これから
経営に、人の成長に、
影響力を発揮したい。
戦略と数字で経営を理解し、ビジネスをよくしていく——「経営参謀」としての価値を発揮するために、もっと影響力を発揮できるようになりたいと考えています。同じように、人の成長にも影響を与えられる人間でありたい。キャリアを振り返ってはっきりしたのは、私自身の成長は、人との出会いによって導かれてきたこと。同じことを、次の世代にもしてあげられたらうれしいですね。
What I
Value Most
インプットが先。
アウトプットは後。
インプットがなければ、アウトプットもない。若手時代のエピソードでも触れましたが、単純なことのようでいて、先輩に指摘されるまで私は気づけずにいました。思うようにアウトプットが出せずに苦労している人にも、改めて意識することをおすすめしたい、不変の順序です。
※所属部署は取材当時のものです。